「令和」で注目万葉の里、桜も水芭蕉もみごろ

味真野苑の相聞歌碑と見頃の桜

5月から新元号「令和」の出典元となった万葉集が注目されている。今回は福岡県の太宰府の歌会の文章の中から選ばれた。奈良や福岡だけでなく日本各地に万葉の歌と言葉が残る。今回は日本の古書から元号を選びたいとの為政者の思いから万葉集が選ばれるのは必然だったかもしれない。筆者の住む福井県にも万葉の歌は90首以上にもなる。

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福井県内で最も多く万葉の歌が残るのは越前国府があった越前市の味真野だ。奈良時代の739年中流官僚だった中臣宅守(なたとみのやかもり)が儒女と呼ばれた女官の狭野弟上娘子(さののおとがみのおとめ)と結婚した後、罪を問われ味真野に流される。愛し合った夫婦が都と味真野に分かれさせられ、互いに交わした相聞歌63首が万葉集巻の15に残されている。「君が行く道の長手を繰り重ね焼き滅ぼさね天の火もかも」と味真野への道を天の火で焼き滅ぼしたいとつづった弟上娘子の思いは、万葉集の女流歌人の中の歌の中の傑作のひとつとされている。

 

味真野の故地には「万葉の里味真野苑」という公園がある。味真野苑は二人の思いを伝えようと1979年に作られた広い公園で桜、椿、花ハス、ショウブ、ミズバショウが植えられ四季に会わせて花が咲く。2対の相聞歌碑が園内に立っている。味真野苑の側には二人の歌を紹介する越前市の施設万葉館がある。万葉集の前の時代の6世紀の越前ゆかりの大王、継体天皇が味真野にいたという伝承もあり、継体天皇の座像もある。

 

「令和」が決まって万葉集が注目され、今ちょうど桜が満開になり、ミズバショウも白く咲いていて大勢の人が訪れていた。

 

 

 

 

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