アスキーから次々と作品
 カセットテープ時代、1980年代の前半にPC8001、PC8801のゲームを最も多く出したのはアスキーだったかもしれない。さまざまな分野のゲームタイトルが並んでいた。パッケージも統一されて見かけは一番立派だった。
 月刊誌にプログラム掲載
 アスキーの特徴は、雑誌の月刊ASCIIと連動していたことだった。ASCIIにゲームがプログラム付で紹介される。一応そのベーシックで書かれたプログラムを打ち込もうとトライするのだが、打ち込みミスによるバグが残ってしまいなかなかうまくいかない。特にマシン語によるルーチンが入っていて、数字の羅列が多いので、完全にはなかなかならない。ゲームがスタートし。順調に進んでいるように見えても大事な場面で突然止まってしまう。
 月刊テープアスキー
 そんなことを繰り返しているうちに、プログラムを打ち込んで無駄な時間を費やすよりも、打っているミスのないテープを買った方がましと思うようになる。そこでアスキーは毎月の本に掲載したプログラムを「月刊テープアスキー」として売り出すようになった。

月刊テープアスキー メインロイヤルのパッケージ


 「メインロイヤル」もそのひとつ。ヨーロッパの近代帆船時代の帆船同士の戦いをシミュレートしたもので、風を読みながら帆船を操作し大砲を打ち込む。船といっても移動画面上は線で表されるだけだった。
 パッケージによると月刊アスキー3月号に掲載されたもので、「FM−7」「FM−8」「PC−8801」「PC−8801mkU」「MB−S1」の5つの機種に対応、1800円とお得な値段だった。ただ筆者は不勉強で「MB−S1」というパソコンについては知識がない。
 月刊テープアスキーシリーズではこのほか「スーパーピンボール」「タンクバトル」などというゲームも手元にある。

 3500円テープアスキー
 アスキーは「月刊」以外にも、TAPE ASCIIとして独立してゲームを販売していた。こちらは雑誌に紹介されたものもあれば、単独で売られたものもあった。シルバー、黒のブック型パッケージで3500円だった。  「フライト/ドライブシミュレーター」は日本のフライトシミュレーターの草分けとも言える存在。画面は160×100ドットと初期の98の640×400の4分の一のサイズしかなく、ここに線画で飛行場やわずかな建物を描き、着陸と短い飛行を楽しめた。教習場のようなところをドライブするミニゲームもついていた。

TAPE ASCIIの「フライト/ド
ライブシミュレーター」
かなり詳細なマニュアル付き。
中にはプログラムも書かれ、
自分で改造も可能だった


 「WIN BACK」は陸海空軍で上陸戦を行う仮想戦ゲーム。飛行場、上陸舟艇、上陸用ビーチなどがあるなかなか本格的なものだったがやや時間がかかり、途中で止まったのかとはらはらさせた。月刊アスキーにも連載していたような気がする。 このほか軍人将棋をそのままゲームにしたフィールドアーミー、9ホールをプレイする「ゴルフシミュレーション」スタートレックをもとにした「トレードトレック」などがあった。変わったところでは会社を経営(MG=マネージメント)するコンピューターMGというのもあった。
 

テープアスキーも最後はパッケージがカラーとなった。フライト・シミュレーターと、ブロック崩しタイプの「ブロック・バスター」がセットになっていた。