雁に関する言葉 ガンについてのエトセトラ
雁 辞書から
厂と人と隹からなる文字
漢字学の第一人者 故白川静氏の字源辞典「字統」によると
厂と人と隹
中国の説文に「鳥なり。隹(とり)に従ひ人に従ふ」と書かれ
白川氏は「人に従うとすれば、人に合うときの礼物として雁を贄(し)に用いたことを示すと解釈する。
また漢の蘇武が匈奴にとらわれたとき薄絹に書いた所を雁の足に結んで託したことから手紙のことを雁書、雁信、雁使、雁札というという。
雁を使った熟語としては
雁の飛ぶ姿から「雁行」「雁序」などがある・
さらに軍隊の隊形が斜め隊で雁の列に似ているのを「雁陣」
琴の糸を張るのに使う琴柱の並びが雁の列に似ているため琴柱を「雁柱」とも
やじりの先が二股に開いているものや兜の鍬形の形を「雁股」という。
雪よけなどのため木を少しずつずらしたものが「雁木」。ずらし方が雁の列に似ているため。
飛行中の雁の首の形から煙管(きせる)の頭を「雁首」という。
さらにこれが人の頭に転じ、新聞社などは顔写真を「雁首」と呼ぶ。
江戸時代までは高級食材で、大名が食べたという。
雁のにくのようなおいしいものを食べることを「雁食い」と言った。
おいしいお茶は「雁がね」。