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雲のでき方
雲は小さな水や氷の粒が集まってできています。
雲の元は空気中の水蒸気です。
水蒸気は気温が高いと空気の中に多く含むことができ、気温が下がるにつれ空気の中に含むことのできる水蒸気の割合が減ってきます。気温が下がると空気の中に残っていられなくなった水蒸気が水や氷となって外に出てきます。地上の方が温度が高く、上空へくと気温が下がるため、上空ほど空気中の水蒸気の割合が下がってきます。
雲ができるのに必要なのが上に向かって吹く風、上昇気流です。
上昇気流にのって空気が上に上がっていくと、温度が下がり空気中に水分が出てきます。
この水分に空気の中の小さなちりなどが核となり水滴や氷の粒となります。これが雲です。
一粒は小さいもので0.02ミリから最大で0.2ミリ程度と小さく、これが集まって全体で雲の形になります。
空気が横風に吹かれて冷たい海面の上などに移動したときなども雲ができます。
雲の分類
雲は高さと形によって国際的に10の種類に分けられています。これを「10種雲形」といいます。
まず雲は発生する高さがほぼ一定の層状雲と8種類と高さは一定でなく低空から上にまで伸びる対流雲2種類に分けられます。
上層雲(高層雲)
層状雲のうち上空5000メートルから1万3000メートルの高層に発生するのが「巻雲」「巻積雲」「巻層雲」の3種類。氷の粒でできています。巻雲はいわゆるすじ雲、巻積雲は小石を敷き詰めたように見えるうろこ雲、巻層雲は空一面をベール状に薄く覆い、太陽の周りに丸い暈(かさ)ができることもある。
巻雲 | 巻積雲 | 巻層雲 |
中層雲
2000メートルから7000メートルの中層に発生するのが「高積雲」「高層雲」「乱層雲」の3種類。
高積雲は巻積雲よりは大きなかたまりの雲でヒツジ雲などがこの種類。高層雲は空一面に広がる白い雲で太陽は透けて見えることもある。乱層雲は全天に暗く広がるくもで雨になることが多い。中層雲は主に水の粒ででき高積雲など上の方は氷粒になっていることもある。
高積雲 | 高層雲 | 乱層雲 |
下層雲(低層雲)
2000メートル以下に広がるのが「層積雲」と「層雲」の2種類。層積雲は低い空によく現れる曇り雲。雲の間から光の筋、光芒が見えることもあります。層雲は最も低く現れる霧のように見え、低い山を覆ってしまうこともあります。
層積雲 | 層雲 |
対流雲
対流雲は積雲と積乱雲の2種類で上昇気流によって下から上まで高く伸びる雲です。
積雲は、地面が熱されての上昇気流の小さな雲、いわゆる綿雲からから急速に上に発展していく雄大積雲まであります。もくもくと上部が盛り上がった入道雲が雄大積雲です。
積乱雲は雄大積雲の上への発達が止まり上部が毛羽立ちさらに横に広がってきたもの。上部は氷の粒ででき雷が発生することもあります。
積雲 | 積雲(雄大積雲) | 積乱雲 |
雲の名前の由来
世界気象機関の分類している10種雲形の名前はいくつかの英語の組み合わせでできています
巻雲を表すCirrus、積雲を表すCumulus、層雲を表すStratusの3つが基本となります
これに高い場所を表すAlto、雨雲や乱雲を表すNimbusの二つを組み合わせて10種雲形の名前となります。
巻きひげ(Cirre)という意味からきている巻雲Cirrus
巻雲Cirrusと積雲Cumulusが組み合わさって巻積雲Cirrocumulus
巻雲Cirrusと層雲Stratusが組み合わさって巻層雲Cirrostratus
高い場所Altoにできる積雲Cumulusが高積雲Altocumulus
高い場所Altoの層雲Stratusが高層雲Altostratus
雨が降りやすいNimbus層雲Stratusが乱層雲Nimbostratus
層状のStratusの積雲Cumulusが層積雲Stratocumulus
低い場所にできる層雲Stratus
重なる(Cumuler)という意味からきている積雲Cumulus
雨雲Nimbusとなりやすい積雲Cumulusが積乱雲Cumulonimbus