存続・廃線問題の主な経過
(2002年)
山岸社長1月以降も継続
12月5日 えちぜん鉄道の山岸社長は勝山市会で1月以降も社長を続ける意向を表明した。
京福が中間決算
11月28日 京福電鉄が9月中間決算を発表。鉄道譲渡の固定資産売却などの特別利益や事故車両の特別損失金を計上。また4月から9月の代行バス利用者数が65万8000人で電車分も含めた前年より半減したことも報告された。
シンボルマーク決まる
11月27日 全国から623点の応募があったえちぜん鉄道のシンボルマークの審査が行われ、坂井町の伊藤さんの作品が最優秀となった。えちぜん鉄道の「E」と無限に続くレールのイメージを合わせた作品。
事業譲渡を国に申請
11月7日 えちぜん鉄道が京福電鉄から鉄道事業を引き継ぐため、両社は国土交通省に鉄道事業譲渡譲受申請書を提出した。来年
シンボルマーク募集
10月30日 えちぜん鉄道がシンボルマークを募集。
福武線との乗り入れ提起
10月23日 福井鉄道の沿線市町村などでつくる福武線活性化検討協議会が開かれ、福井市の奈良副市長らから田原町でえちぜん鉄道と福武線をつないで相互乗り入れを考えるべきとの提起があった。
永平寺線が廃線
10月21日 京福電鉄永平寺線が廃線に。1925年9月以来77年の歴史に幕を閉じた。
営業譲渡契約を締結
10月10日 京福電鉄とえちぜん鉄道で鉄道資産などの営業譲渡契約が結ばれた。11月7日に国土交通省へ事業譲渡譲受認可を申請する。また中部運輸局は代行バスを乗り合い路線バスとする運行する事業計画変更を認可した。
代行バスを当面路線バスで運行
10月5日 京福電鉄は運行中の代行バスを21日以降は鉄道再開まで路線バスとして運行することを発表した。
廃線手続きを繰り下げへ
10月4日 福井新聞によると京福電鉄は、10月21日に迫った廃線期日を繰り下げる検討に入った。えちぜん鉄道が京福から鉄道事業免許の譲受手続きを終え認可を受けるまでに2、3カ月を要するための措置。
えちぜん鉄道専務に見奈美氏
10月4日 えちぜん鉄道社長の山岸正裕勝山市長は、代表取締役専務に福井市の繊維会社、セーレンの見奈美徹常務(56)が内定したと発表した。民間からの代表取締役は山岸氏が就任の条件としていたもので、経営体制が整った。同時に山岸社長は12月までとした社長を来年1月以降も続けると述べた。
資産取得費20億円を上程
9月24日 福井県は京福電鉄からえちぜん鉄道への関係資産の取得費20億5000万円を計上した補正予算案を県会に上程した。当初見込みの34億円を下回ったが、これは福井−福井口間の額が折り合わず借地としたため。京福側もかなりの譲歩をしたと見られる。
資産譲渡で京福と福井県がほぼ合意
9月20日 福井新聞によると路線継承の最大の懸案だった京福から福井県への線路、電車などの資産譲渡交渉がほぼまとまり、24日県は県会に取得費予算を追加上程する。土地と資産の合計は県が最初に試算した34億円を下回るという。
「えちぜん鉄道」登記
9月17日 「えちぜん鉄道」は、法務局に設立登記を申請した。
山岸社長、野路常務を選ぶ
17日に正式会社発足
9月12日 「えちぜん鉄道」の初の取締役会が福井市で開かれ代表取締役社長に山岸正裕勝山市長、常務に福井経済同友会事務局長の野路哲治氏を選んだ。山岸氏が社長就任の条件としたもう一人の代表取締役はこの日選ばれなかった。9月17日に会社の設立登記を行う。
資産譲渡は9月中に決着
9月6日 栗田福井県知事は定例記者会見で京福電鉄から「えちぜん鉄道」への資産譲渡交渉について「双方の提示額の開きが大きすぎて話にならないというわけではない」とし、9月中に交渉を終えたいと述べた。
土地については固定資産評価額を基にした額で交渉、車両などは県が補助金を出している分を差し引く必要があるとしている。
「えちぜん鉄道」9月発足へ
社長には山岸勝山市長が内定
8月23日 第3セクター会社の設立発起人会が福井市で開かれ、社名を「えちぜん鉄道」と決めた。沿線9市町村と民間からの5人の合わせて14人の取締役を選び、9月初めにも取締役会を開いて社長や幹部役員を決め、新会社を発足させることを決めた。社長には当面勝山市の山岸正裕市長が就くことが固まっている。。
設立時の資本金は4億8260万円。このうち沿線9市町村が3億4500万円、民間が1億3760万円。路線名は休暇越前本線が「勝山永平寺線」と変わる。「三国芦原線」は同じ。
今後は京福からの資産譲渡交渉が次の山場となる。また山岸市長は会見で「任期は年内」で早期に後任社長を選ぶことを県に求めていることを明らかにした。
勝山市長 社長就任受け入れへ
8月20日 京福越前線を引き継ぐ第三セクター新鉄道会社の社長人事で山岸正裕・勝山市長は臨時の市会全員協議会で、代表取締役を二人にすることなどの新たな条件付きで、県などから要請されている社長就任を「受けざるを得ない」との考えを表明した。また、栗田知事から専務と鉄道部長の確保にめどがついたとの報告を受けたことを明らかにした。
勝山市長に社長就任要請
8月2日 福井新聞によると社長人事が難航している第三セクター新会社設立で県は山岸正裕勝山市長ら行政関係者に社長就任を要請した。県の新会社設立計画では、経営専門家として民間企業から社長を擁立する方針だったが、新会社の厳しい経営見通しなどからまだ受け手が見つからず、行政にも人選を広げた格好。
県からの要請について山岸市長は2日、「社長は片手間でできるポストではない。まして鉄道専門家の専務や経営専門家の役員など支援体制も決まっていない中で、引き受けられる状況にはない。ボールは県に投げ返した」と話している。
事故、運行停止から1年
6月24日 2度目の事故から1年
福井商工会議所も出資へ
6月5日 福井市が6月補正予算案を発表。3セク会社の負担金と出資金合わせて9016万円を計上した。また福井新聞の報道によるとこれまで慎重な姿勢だった福井商工会議所が民間としては初めて出資の方針を決めた。金額は500万円から1000万円の範囲を検討しているという。
資産譲渡は時価でと京福
5月23日 京福電鉄は決算発表の席上、新会社への線路部分などの資産譲渡は、県などが求めている固定資産税評価額ではなく、時価などの実勢価格を中心に交渉していくとの方針を示した。さらに「事業免許なども含めた譲渡となる」と免許代も上乗せしたいとの考えも示唆した。
また代行バス後の乗客は昨年7月から3月間で188万人と37%以上の落ち込みになったという。
3セク負担割合で最終合意
7月新会社立ち上げ、1月運行へ
5月22日 知事と沿線9市町村の会議が堅調で開かれ3セク運行後の赤字の負担割合について、県側が新たな調整案を提示、全市町村で最終合意した。これで7月の新会社立ち上げ、来年1月の運転再開について自治体の課題はクリアし今後は国や京福電鉄との調整に入る。今回の基本合意では福井市23%、勝山市24%、三国町15%と元の案から1%アップ、上志比が2%減の6%、永平寺が1%減の6%と変更。芦原10%、春江6%、松岡6%、坂井4%は変わらない。ただし運転再開後必要なら見直しすることも合意に盛り込まれた。
福井市が県案おおむね了承
4月30日 県の存続案について批判的な声が強かった福井市議会が全員協議会を開き、県案を了承することを決めた。今後は福井駅への高架での乗り入れなどを求めていくという。県は5月初めに沿線首長会議を開き3セク立ち上げへの話し合いを進めていくことにしている。
4月中に福井市が結論
4月10日 福井市の京福問題検討委員会が開かれ、福井−福井口間の路面電車については今後協議するなどの県の回答を評価した上で酒井市長は「4月中に市としての結論を出したい」と述べた。
福井県が鉄道会社支援室設置
3月25日 福井県は第3セクター立ち上げに対応し、県民生活部に新鉄道会社支援室を設置した。会社の立ち上げを主導的に指導していくという。
3セク予算執行に県会が条件
3月15日 福井県議会の予算特別委員会は、福井市の独自案や、沿線自治体の負担割合の変更要求をけん制する狙いから、1月の沿線首長会議の合意10項目を遵守することが予算執行の条件との付帯決議を可決した。
来年1月の運行可能
3月1日 福井県議会の代表質問に対して市橋県民生活部長が3セクの設立がスムーズに進み、10月21日の廃線予定日前に鉄道事業譲渡認可申請ができれば、来年1月の運転再開も可能との見方を示した。逆に1月の運行を目指さないと、いったん廃線となってしまい、新会社が新たに認可を求めると早期の運行は難しいという。
年間57万人増の試案
2月27日 福井県の「公共交通機関活性化推進本部」は駅と主要施設を結ぶコミュニティーバス運行やパークアンドライドなどを進めることによって3セク後に年間57万人の利用増加が見込めるとの試案まとめた。
沿線4市町村が負担額独自試算
2月25日 勝山市の山岸市長は福井市を除く越前本線の沿線4市町村が独自に負担割合を試算し、県に提案したことを明らかにした。勝山市が8.3%、松岡4.3%、永平寺3.1%、上志比2.4%、三国芦原線沿線4町が25%、福井市が57.8%と福井市の割合が高くなっている。勝山市はこの負担割合に応じた9375万円を新年度予算に計上した。
ATS化などに9億円計上
2月21日 福井県が2002年の当初予算案を発表。この中で3セク会社への助成として9億4600万円を盛り込んだ。電車21両と21駅へのATSの整備、さらにATS付きの中古車両2両の購入費、レールの交換、軌道の修正費なども計上されている。
永平寺線の廃線に地元同意
2月18日 永平寺町の川崎町長は町議会で永平寺線の廃線について15日の知事との話し合いで同意したことを町議会で明らかにした。議会も廃線に同意した。今回の事故以来運転再開されないまま、今年10月21日で正式に廃線、77年間の歴史を閉じることになる。
永平寺線は東古市-永平寺間6・2`間で1925年に開通した。
福井市会委員会が独自方針
2月6日 福井市会の保守系会派などでつくる「京福問題検討委員会」は3セクの運営には県が主体となり、市町村は参加しない、赤字補填をしないなどの独自方針を出した。これまでの合意をほぼ無にするような方針に批判が出ている。
福井市が赤字補填しない方針
2月5日 最大の負担自治体となる福井市は沿線市町村の費用負担は一定額とし、それ以上の「際限なき赤字負担はしない」との方針を市議会に示した。さらに県にも3セクへの参加を求めていく。これはこれまでの赤字補填をしていくとの県と市町村との合意に反し、運転再開へまた一つ難関を作り上げる形となった。
福井口から福井駅への路面電車化にも反対し、田原町経由で福井駅前に入るとしている。
京福の廃線繰り上げ認めず
1月25日 京福電鉄が昨年10月に提出した廃線届について、中部運輸局は京福の求めていたことし10月21日の廃線予定日の繰り上げを認めないと同社に通知した。「現在代替交通機関の確保について検討中で、予定日を繰り上げたら公衆の利便を阻害するおそれがある」との理由。県や沿線自治体は3セクでの運行のため、資産譲渡や廃線手続きの撤回を今後求めていく。
第3セクターでの存続に合意
1月22日 福井県と沿線市町村の首長会議が福井市で開かれ、越前本線と三国芦原線を第3セクターで存続させていくことで合意した。県が路線を整備し、市町村が運営していく。県は、運行開始まで人を派遣して関わっていく。5月頃に新会社を立ち上げていくという。来年6月の開業を目指す。永平寺線については、栗田知事に判断を最終的に委ねた。
乗る運動超えた利用促進策を
1月11日 福井県の公共交通機関活性化推進本部の初会合が開かれ西川副知事が「91億円もの多額の県費を無駄にしないため、単なる乗る運動を超えた利用促進策が必要」と述べた。
上下分離、沿線首長大筋で了承
1月10日 知事と沿線9市町村の首長会議が福井市で開かれ、県が上下分離方式の第3セクターでの運営を提案、首長側からは異論がでなかった。1月下旬までに最終合意ができれば、3月までに準備室を立ち上げ、5月に新会社を発足させるというスケジュールが検討されている。永平寺線の存廃、県の3セクへの関わりかたなどの課題が残っている。
繰り上げ廃線に沿線反対
1月9日 京福の廃線届けを受けて国土交通省中部運輸局は鉄道事業法に基づき福井市で関係者の意見聴取を行った。京福は届け出から1年後のことし10月を待たずに早期の廃線、バス転換を求めたが、県や沿線自治体、市民団体などのこりの12の参加者は3セクでの存続を検討していることや、バスでは冬場の定時運行が確保できないことを理由に繰り上げに強く反対した。同運輸局も自治体の反対が強いことから繰り上げ廃線は無理との考えを示した。最終的な判断は月末に示される。
勝山市が上下分離認める
1月8日 勝山市の山岸市長は第3セクターの運営方式について「基本的に県の提案をのみたい」と延べ、沿線の首長として初めて施設は県、運行は市町村という上下分離方式を受け入れる考えを示した。
開業へ2003年の経過
存続廃線問題2001年までの経過