北陸新幹線でほぼ消える北陸本線

かつては米原から直江津まで350㎞

  新幹線後は北陸区間なく50㎞以下

長年関西、中京地区と北陸を結んできたJR北陸本線の歴史的使命が2024年3月15日で実質的に終わりを告げる。3月16日の北陸新幹線敦賀開業でわずかに米原-敦賀間だけが北陸本線として残る。かつては滋賀県の米原から新潟県の直江津まで5件をまたぎ353.8㎞もあった長距離路線が7分の1足らずのわずか45.9㎞の路線となってしまう。関西と北陸を結んだ特急「サンダーバード」と中京・滋賀と北陸を結んだ「しらさぎ」も敦賀止まりに短縮され北陸地方を走らない。

国鉄時代からかつての北陸本線は長距離特急列車の宝庫だった。日中大阪と青森を結ぶ「白鳥」が走り、夜には北海道札幌まで進む「トワイライトエクスプレス」が人気を集めた。新潟から大阪まで走る「北越」もあった。大阪と結んだ「サンダーバード」は「雷鳥」と呼ばれていた。

しかし2015年に北陸新幹線が金沢に延伸し北陸本線は米原-金沢間に短縮され金沢以北は新潟、富山、石川の3県でそれぞれの自治体が中心となって運行する第3セクターの鉄道に分割されてしまいJRの特急が走ることはなくなった。

そして今回敦賀延伸で北陸地方のJRの線路がほぼなくなることで北陸本線の役割は消え、直通特急が走った関西、中京との結びつきは敦賀で乗り換えすることで弱まってしまう。

「しらさぎ」「サンダーバード」本数維持

東海道新幹線から米原乗り換えで北陸へ向かうルートを考慮して「しらさぎ」は3月16日以降も現在と同じ1時間に1本の運行が維持される。大阪から敦賀行の「サンダーバード」は基本的に1時間に2本程度運行される。

大きな荷物を持っているときの敦賀駅での「しらさぎ」や「サンダーバード」から北陸新幹線への乗り換えはちょっと大変だ。1階の在来線ホームから2階に上がって改札を通りさらに3階の新幹線ホームに上がらなければならない。

北陸線が実質的無くなっても鉄道を通じた人の行き来が維持されるのか。数年後も今後の特急本数が維持されるのかも注目だ。

北陸地域ではラストランとなる特急「しらさぎ」と「サンダーバード」。沿線には連日最後の姿を撮ろうと大勢の人がきている。3月11日芦原温泉駅近くの陸橋では道路にはみ出すようなカメラマンもいてパトカーが見回りに来ていた。

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