福井県坂井市の小さな集落の電柱の上で生まれたコウノトリのヒナ4羽が順調に育っている。もうヒナとは呼べないような大きさになり、巣立ちを目指して巣の上で羽ばたきの練習をしている子供もいる、雨や風の日は無事に過ごしているか不安になり、時々見に行ったときも4匹とも見えないと心配になる。7月3日は4匹とも巣の上に顔を出して安心した。
6歳の雌と4歳の雄。2年越しの子育てだ。昨年2018年は越前市に巣を構えた。3つの卵が生まれたが、親2羽ともに巣を離れた隙にカラスが卵を奪ってしまった。
コウノトリは一度ペアになるとずっと続くことが多いという、2羽はことしも春先から巣作りを目指して福井県北部から石川県を転々とした。電柱に巣を作ろうとして感電や停電を恐れる北陸電力に撤去されてきた。坂井市の集落の真ん中にある電柱で巣を作ろうとしていたペアを見て子育てをさせてあげたいと住民が北陸電力に要望し、この巣のある電柱を回避して電気を集落の各家庭へ通すことにした。
コウノトリのペアは4月下旬から安心して巣作りした。巣の高さは14メートル、お椀型になっている巣の中を下からみることはできないが、ペアの様子から5月中ごろに産卵、下旬にはふ化したとみられえさを与える姿が見られた。6月初めに4羽のヒナが確認された。
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ペアは昨年の失敗の経験から必ず1羽は巣に残りもう1羽が餌を取りに行った。一度飛び立つと2時間ほど帰らないことも多く、近くに餌が少ないのでは見守って入る人の中からは心配の声も聞こえた。巣作りが遅かったため、子育てが梅雨の時期と重なり、覆うものもない巣の中で風雨にうたれる親子が心配にもなった。雨の中じっと巣の中に立っている親鳥の姿がけなげだった。
心配をよそにヒナは育ち続け数日見ないで入る見違えるように大きくなった。鳩よりも大きくなると巣の中で立ち上がる姿も見え、くちばしは親と同じように先が伸びてきた。羽根もコウノトリの特徴である黒い風切り羽根がみえたきた。6月終わりには親鳥が時折巣を離れ子供だけの時間も出てきた。大きなヒナが立ち上がると遠くからは親鳥のようにも見える。
雨降りのあとの7月2日にいくと3羽見えたが、もう一人は見えず心配させた。翌3日暖かくなると4羽ともに元気が姿が見えて安心した。大きく育った2羽は巣の上で羽根をひろげて羽ばたくような様子も見せていた。