よみがえった日本のコウノトリ

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 福井県で電柱からヒナ誕生巣立ちに期待

 日本でコウノトリが「絶滅」してから半世紀近く今、再び日本の空を舞うコウノトリが増えている。各地で産卵、孵化、巣立ちの話題が聞こえてくる。歴史的にコウノトリとゆかりの深い福井県ではことし2カ所でコウノトリのペアが産卵した。以前からコウノトリの定住を目指している越前市では巣塔で5月3羽のヒナが確認されたものの5月中頃までに3羽とも死亡が確認された。

 もう一つのペアは坂井市の集落内に巣を構えた。坂井市は広い水田が広がっていてコウノトリが気に入ったのだろう。しかしこの市はこれまでコウノトリを呼ぼうというような活動は行っていなかったため人工的な巣塔はない。ペアは石川県も含め各地の電柱の上に巣を作ろうとしたが、その度に停電や鳥の感電事故を恐れる北陸電力によって撤去されてしまった。

 坂井市の小さな集落の中心にある電柱に巣作りをしているのを見ていた住民らが「巣をつくらせてあげたい。子どもを産ませてあげたい」と北陸電力に要望。北陸電力もこの電柱を迂回して電気を通さない工事をすることにした。住民も工事のため、短時間とはいえ一時的に停電になることを受け入れた。

 巣ができると糞が落ちてくるため車の駐車場所を変えたり、子どもたちの集合場所を変えたりもした。北電がコウノトリのために工事をしたことがニュースになると、ペアを静かに見守ろうと地区内に入らないよう看板も付けた。

 4月中旬に巣作りしたペアは5月初旬には産卵したと見られ、卵を抱くような姿がみられた。このペアは昨年初めて越前市で産卵した。このときは2羽ともが巣を離れたときにカラスに卵を盗られてしまった。この経験からことしは必ず1羽は巣に残っていた。

 5月終わりには巣の中で親鳥が立ち上がることが多くなり、えさを採りにいって返ってきた後、巣の中にくちばしを入れる様子も見られヒナが生まれたかもしれないと観察している人たちは期待していた。巣の高さは14メートル、深さもあるため下からはなかなか断定できなかった。6月初めに巣の中から頭を出す姿がみられた。最終的に4羽いることがわかった。

こうのとりのペアは集落の人たちに見守られ産卵からふ化、4羽のヒナが生まれた

 ペアは交代でえさ取りにでかける。1、2時間のサイクルで帰ってきて、もう1羽は交代で出かける。2人で子育てをしていても一緒にいるのは一瞬だ。帰ってきたときは巣を補強する枝やわらを加えてくることが多い。子どもたちには胃の中から戻して与える。

ひなの成長は早い。数日ぶりに見に来ると見違えるように大きくなっている。4匹でも成長の違いがあり、大きいヒナは黒い風切り羽もしっかりとはえ、もうすぐ親鳥と見間違うようになるかもしれない。

 コウノトリは狩猟を厳しく制限した江戸時代までは日本にたくさんいた。花札に描かれた松の木に止まる鶴も実はコウノトリだったそうだ。羽を広げると1メートル10センチを超え、大鷲よりも大きな鳥だ。狩猟や農薬を大量に使う農業で田んぼや小川から主食の魚やカエルが減りどんどん姿を消し1960年代に日本に暮らしていたコウノトリは絶滅した。福井県と兵庫県にいたのが最後のコウノトリだった。

 いま日本で飛んでいるコウノトリはロシアなどからペアを譲り受け1970代から兵庫県豊岡市や東京の多摩動物公園で人工繁殖が進められ2000年代に繁殖場から放鳥され、すこしずつ自然で暮らすコウノトリが増えてきた。今では140羽にもなるという。

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