コウノトリひな4羽に足輪、親鳥は不安げに旋回

コウノトリ

じっとおとなしくして足輪を取り付けられるひな=2019年7月8日

福井県坂井市の集落で生まれたコウノトリのひな4羽に2019年7月8日朝、識別のための足輪を取り付けた。巣の保護に協力した北陸電力から高所作業車3台、兵庫県豊岡市のコウノトリの郷公園、福井県、坂井市の担当者ら40人以上が参加しての一大作戦。ひなが巣から下ろされ空っぽになるとこれまで懸命に子育てをしてきた親鳥ペアは何事が怒ったのかと、巣の回りを飛び回り、見守り続けた集落の人たちや写真を撮り続けてきた愛鳥家の人たちも親が再び子育てをしてくれるか心配した。

Sponsored Link

日本にいるコウノトリのうち野外で暮らしているのは約160羽。韓国など海外から飛んできたものをのぞいて識別のための足輪が付けられている。足輪をみればどこで生まれたのか、雌雄はなどがわかるようになっている。坂井市のペアも豊岡の郷公園で生まれた雄5歳、雌6歳とわかっている。近親交配を防ぐためにも識別は必要という。

隣の電柱の上で待機する

何回も巣の上を旋回する

 

短時間とはいえ、ほぼ常にどちらかが巣にとどまって守ってきたヒナを高所作業車を使って引き離した。4羽とも下ろし下のテントで足輪を付けた。それぞれに識別できるよう足輪をつけ血液を採取し男女を見分けDNAを調べるという。足輪を付けるため前日に豊岡市からやってきた飼育員の人たちが、ひなの顔にタオルを掛けておとなしくさせて手慣れた様子で作業していた。これまで野外で生まれたコウノトリには必ず取り付けているという。

やむを得ない作業だろうが、心配そうに上空を回る親鳥を見ていると胸が痛む。子供いないので巣には止まらず横の電柱に留まってじっと見ていた。

1時間かかってようやく巣に戻され、高所作業車が撤去され周りから人がいなくなると10分後に電柱にいた雄の親が戻ってきた。そのあと直ぐ雌親も帰ってきた。

最近は直ぐに交代して一緒にいる時間はほんのわずかだったつがいがしばらく一緒にいた。子供たちも怖がって巣の中からしばらく顔を出さなかったのが、元気に立ち上がる様子が見られ見守るみんながほっとした、

ひなの体重はみな4キロを超え大きな体格差もないそうだ。えさが十分に与えられていることを示す。5月末にひなが誕生して以来ペアがしっかりと子育てしてきたことを意味する。順調にいけば7月末ごろから巣立ちが始まるという。

巣の中のひなのケアをする親鳥

しばらくしてひなが顔を出した

しばらく一緒に巣の上にいた親鳥

コウノトリのひな4羽巣立ちの準備

絶滅から復活した日本のコウノトリ

Sponsored Link
タイトルとURLをコピーしました