白山で1日で100回以上の小さな連続地震

 2017年10月10日、気象庁や防災のホームページなどによると石川県、岐阜県にまたがり福井県にも近い白山が山頂付近を震源とする小さな地震が118回を数えた。24時間の地震が100回を越えたのは2014年12月16日以来ほぼ3年ぶり。最高の規模はM2.3と小さくいま噴火の可能性があるという訳ではないが。かつて噴火し古文書や古絵図に記録が残っているだけに油断はならない。

 気象庁のホームページによると白山は有史以来少なくとも8回噴火している。特に室町時代後期の天文から天正年間は活動が活発で1554年から56年(天文23年から弘治2年)には小規模な火砕流が発生し、下流の加賀の手取川がにごり魚が死んだとの記録もある。当時白山を収めていた福井県勝山市の平泉寺には白山から赤い炎が上がる絵が残っている。

 いま白山は日本の111の活火山のうち気象庁は常時観測火山に指定し、地震計や空振計などを置き24時間体制でウオッチしている。噴火警戒レベルは1「活火山であることに留意する」となっている。噴火への警戒がいわれるようになった富士山と同じレベルだ。白山はことし2月17日にも40回以上の地震が起こった。

 白山は越前出身の僧泰澄(たいちょう)が717年(養老元年)に開いたと言われる。現在の福井市麻生津に生まれ、現在の越前町の越智山で修行して十一面観音を信じ、717年に白山に登り勝山市に平泉寺をたてた。全国の白山神社のもとになった白山信仰の開祖でもある。

 白山は北陸線で福井から金沢方面に向かうとき、飛行機で小松空港から羽田空港に向かうとき天気がよければ見える。冬の真っ白な姿は本当に美しい。

JR北陸線からみた白山=2016年12月小松市から

 ことしは泰澄が白山を開いてことしで1300年。地震は山が泰澄をしのんでいるのか、いつもの平常な営みのひとつか、新たな変動への予兆か。しばらく注目していきたい。

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