石川と福井のガン ガンについてのエトセトラ

 加賀市で眠り福井平野で食事
 ガンは夜は池や沼などの水辺で眠り昼は餌を求めて田に飛んでいく。
 石川と福井の場合は石川県加賀市の片野鴨池がねぐらで、県境を越えた福井平野のうち坂井平野とも呼ばれる西北部が食事場となっている。
 片野鴨池は川県加賀市片野にある面積10ヘクタールの湿地。国の鳥獣保護区特別保護地区で1993年6月10日にラムサール条約の登録湿地に選ばれている。奥に約2.5ヘクタールの大池があり手前には湿地や水田がある。加賀市の鴨池観察館があり、日中はいつでも野鳥を観察できる。マガンをはじめヒシクイ、コハクチョウ、カモなど多数の渡り鳥が飛来しそれを狙うクマタカやオオタカなど大型の鳥もやってくる。

 1990年以降に福井へ
 マガンに関して言えば周辺や施設内に水田あるものの面積が小さく、ほとんどが福井県の坂井平野へやってくる。福井平野に本格的にガンがやってくるようになったのは1990年代以降とされる。
 福井県では毎年1月に全域でガンカモ類の調査が行われその結果を見ると1989年にはマガンは0という数字だったのが1990年に87、91年720と急増、92年130と減ったものの93年に1650と千を超えた。95年に582と少なかったものの以降はずっと千以上で99年、2000年は二千を超えているなど多くのマガンが見られる。その場所もほぼ8割が坂井平野残りは坂井平野に隣接した九頭竜川中流域と北潟湖にいた。

 福井平野には約2000羽
 全国的に見ると2000年の各県調査の環境庁まとめが公表されている。
 ガン類は宮城が48,640羽で1位。2位秋田36,351、3位新潟6,747で福井は2、138で4位、5位島根2136。
 マガンだけで見ると宮城44,184 秋田32、797 新潟2,382 島根2、059 福井2,030。この年石川のマガンはわずか3でほとんどが日中福井へ食事にでていることがわかる。
 石川のマガンが減ったのは片野周辺の開発が進み警戒心の強いガンが人や車に邪魔されず食事する場所がなくなってきたことなどが考えられる。しかし福井県でも水田をつぶしての開発が進み、さらに冬でも水をためない乾田化が進むなどガンの居づらい環境が増えてきている。片野鴨池観察館でも冬場に水をためる湛水水田への協力を呼びかけている。

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雁行記