高輪ゲートウエイの前に変な駅名続々福井の私鉄

2019年1月15日

2020年に開業するJR東日本東京山手線の品川-田町間の新駅の駅名が「高輪ゲートウェイ」に2018年12月に決まって話題になっている。事前の駅名募集でも100位以下だった。長くていいにくいとか、カタカナを付ける必要がないなど批判も多い。歴史的な地名の「高輪」「芝浦」や落語の「芝浜」などが上位だったのに、わざわざ英語を加えての駅名とした。撤回を求める署名運動まで起きている。

 変な駅名が付くのは東京だけではない。福井県ではこの数年英語混じりの駅名がどんどん増えてきた、新駅に着くのはまあ仕方ないと思うこともあるが、わざわざ改名してまでつけている。福井県内にはえちぜん鉄道と福井鉄道の2つの私鉄があり競うように「変な」駅名を付けた。

えちぜん鉄道は2017年3月にJRと併設している福井駅から坂井市の三国港まで走る三国芦原線で連続した4つの駅を一斉に改名した。

「太郎丸」を「太郎丸エンゼルランド」に

「西春江」を「西春江ハートピア」に。

「西長田」を「西長田ゆりの里」に

「下兵庫」を「下兵庫こうふく」に変更した。

「太郎丸」「西春江」「西長田」の3駅は近くの児童施設、公園、公共施設にちなんだもの。ただ歩くには少し距離があり駅から降りて向かう人は少ない。

「下兵庫」に関して「こうふく」という施設はなく福井県が幸福日本一なのと下兵庫の一体がかつて奈良の興福寺の荘園だったことに掛けての命名だという。

この4駅の改名はえちぜん鉄道が主体となって行ったわけでなく駅のある坂井市の意向が強く働いた。施設や歴史をアピールすることで市のイメージアップにつなげたいとの狙いだが、利用者のほとんどは以前からの駅名で呼んでいる。

一方でえちぜん鉄道は2007年以降三国芦原線の福井市内の区間で3つの駅を新設したがいずれも地名や近くの施設にちなんだ名前で、2007年に「八ツ島」と「日華化学前」。2015年に「まつもと町屋」。まつもと町屋は松本地区と町屋地区に近いための命名だが「松本町屋」でなくなぜか「まつもと」はひらがなだった。

福井市の田原町から越前市の武生新を結ぶ福井鉄道も新駅や改名が続いている。

1997年に「ハーモニーホール」駅を福井市で新設したのを最初に2010年に越前市に「スポーツ公園」駅を新設した。

駅名変更では1993年に花堂南を近くのショッピングセンターにちなんで「ベル駅前」に変更。2009年には鯖江市の「上鯖江」駅を「サンドーム西」に変えた。サンドームはジャニーズのコンサートも開かれる大きな複合施設でかなり距離は離れているがJR鯖江駅とともに最寄り駅であるため改名した。2018年3月にも福井市の中心部にある路面電車部分の停留所「市役所」を「福井城址大名町」に変えた。ただ福井県庁が建つ福井城址跡よりは福井市役所の方が停留所が近い。

 北陸3県の中でみると福井県内の駅名変更や新駅の動きは異様だ。石川ではほとんどなく富山県もあいのかぜとやま鉄道で2018年に「高岡やぶなみ駅」が親切されたのが目立つ程度だ。この駅名は万葉歌人、大伴家持の歌にでてくる藪波(やぶなみ)の里の推定地に近いから選ばれたという。

 全国的に見ると変わった駅名は多い。この前訪れた名古屋市の「あおなみ線」の「ささしまライブ」駅も何という駅名だと思った。もともと貨物駅の「笹島」を通る新線が出来たときに誕生したのだがイベントが多いためにこの名がついたらしいが、普段は学校やホテルを含めたビルの利用者が多い。これからも変な駅名に注目していきたい。

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