磯崎新氏設計の中上邸イソザキホールを訪問
ことし建築界のノーベル賞といわれるアメリカのプリツカー賞を受賞した磯崎新さんが設計した福井県勝山市の住宅が9月13日から16日まで4日間公開された。36年前の1983年、美術コレクターだった医師の中上さんが「夫婦で集めた絵を飾れる家を」と願った。磯崎さんが有名な建築家とは知らず、写真で見た磯崎さんのデザインが気に入って設計を依頼したという。
コンクリート打ち放しの2階建て、緩やかなアーチを描いた屋根に2つの明かりとの窓が突き出している。カエルの顔のようにも見えることから「カエルのおうち」とも呼ばれていたそうだ。時々小さな美術展も開かれ「中上邸イソザキホール」とも呼ばれていた。
中上さん夫妻が高齢になりその後亡くなって美術展が開かれる回数は少なくなった。ことし磯崎さんがプリツカー賞を受賞したのを機会に家を管理するアートフル勝山の会と勝山市観光まちづくり会社が無料公開した。
「イソザキホール」は勝山市役所にも近い市内の中心部にある。ホールに寄った後、買い物をして帰ろうと目の前にあるショッピングセンターの駐車場に車を止めて向かった.駐車場からは通りの向かい側に家は見える。正面は小さな門が閉まっていて横のコンクリート塀沿いを通って家の中へ。
家に入ると緩やかに湾曲した壁面が目に付く。そこに今回は磯崎さんが世界各地で設計した建物の版画や絵が飾られている。絵が掛けられるようにと壁には収納できる留め金がついている。
キッチンは絵を見ながら料理できるように対面式になっている。今回は2階も公開されていて、寝室や書斎もみることができる。窓や照明も気配りされている。
磯崎さんが設計した住宅は全国に10軒ほどといわれ一般に公開されるのは貴重な機会だ。勝山市内には中上邸をみて設計を依頼した住宅がもう1軒ある。こちらも現在は棲んでいない。公開されていないが、市役所のすぐそばにあるため外見はよくわかる。こちらもコンクリート打ち放しの2階建ての四角い家だ。
アートフル勝山の会の人たちは、磯崎さんの設計した民家を市の文化財への指定を求め、役立てていけないか活動していくという。
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