早すぎた梅雨明け宣言、7月の大雨

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戻り梅雨というより列島梅雨末期

7月16日午前9時の気圧配置=気象庁のホームページより

 7月初旬をすぎて連日各地で大雨洪水警報や土砂災害警戒情報が出ている。線状降水帯の発生情報も毎日のように出る。大雨の被害も出ている。実は各地は6月に梅雨が明けていて夏の青空が見えるはずなのにだ。なぜ梅雨が明けているのに曇り空が続き大雨になるのか。

 理由は簡単だ。日本の梅雨は6月に明けていないのに気象庁が梅雨明け宣言を出してしまったからだ。いったん梅雨前線は上に上がって太平洋高気圧に覆われたと思ったのだが、それは一時的なまやか現象で梅雨は明けていなかった。今ではもう「梅雨前線」とは呼べない停滞前線が下りてきて列島を覆ったままになっている。7月中旬いまはまさに「梅雨末期の大雨」に警戒すべき時期だ。

 

梅雨明け宣言の後、7月初めいったんは猛暑となり夏雲が見えた

6月の梅雨明け、わずか2週間

 2020年の梅雨は季節が1カ月早く沖縄・奄美を除けば梅雨入りは遅かった.関東甲信は6月6日とほぼ平年並みなったのをのぞき九州が6月11日と平年より12日遅く近畿や北陸が14日、東北が15日と平年より12日から3日遅かった。

 一方で梅雨明け宣言はあまりにも早かった。沖縄こそ6月20日と平年より1日早いだけだったものの、九州南部と東海、関東甲信が6月27日梅雨明け。東海は平年より22日、前年より20日も早いなど各地記録的な早さ。翌28日に九州北部、四国、中国、近畿、北陸が続き、6月29日になって東北も明けて観測史上初めての全地域6月の梅雨明けとなった。梅雨の期間は東海は13日、近畿や筆者の住む北陸は2週間しかなかった。梅雨前線が強い太平洋高気圧に南から押されて上に上がって消えてしまったからだ。

 6月は最高気温が35度を超える季節外れの猛暑ともなり、短い梅雨に水不足が心配されていた。ところが7月になって青空が減り、気温も下がり各地で大雨のニュースが続く。梅雨明け後に「戻り梅雨」という言葉が使われることもあるが、いまま「梅雨まっただ中」というのが実感に合う表現だと思う。

 7月も次第にどんよりした雲に覆われてくる

20年前、福井豪雨も7月中旬過ぎ

 幸い北陸では一時的な強い雨が降り福井市などで道路が冠水することはあったが。洪水被害は出ていない。ただ全国各地は線状降水帯の発生が発生し7月16日も宮城県や島根、岡山などから被害のニュースが流れてくる。

 20年前福井県では7月18日に福井豪雨が発生し大きな被害が出た。この時期はまさに梅雨末期の大雨被害が出ている。今回の大雨は梅雨明け後の豪雨被害と記憶されるのだろうか。

 7月16日の天気図を見ると停滞前線が九州から東北まで横切っている。6月の早すぎた梅雨明けた梅雨明けで「梅雨前線」とよべない前線が連日列島の上を横に走っている。

 梅雨明けはいったん宣言した後、のちに訂正されることもある。ことしは7月中旬ごろまで梅雨の期間だったとなるのではないか。今の停滞前線が押し上げられときが本当の梅雨明けになるだろう。

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