感染率2位の福井はなぜ非常事態宣言対象外?1位の東京都との違いは?

 停まらない新型コロナウイルス感染拡大に対して政府はあす4月7日に緊急事態宣言を出す見通しとなっている。NHKニュースなどによると東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県が対象となる。連日感染者が増え続け、人口当たりの感染率では東京都と並んで高く、順位では1,2位となる福井県やこのところ急速に増えている石川県は入っていない。なぜ福井県は対象とならないのだろうか。

感染率でみた都道府県。赤い色が濃いほど高い

 連日感染者が増えて福井県は午前中発表して感染率がトップになり、夕方から夜にかけて東京都が発表して1位になるという繰り返しで、この2県が感染率では上位を独走している。4月6日夜の報道をもとに計算すると東京は1116人の感染で10万人当たり8.07人、福井は59人で7.62人、高知県も36人の感染で10万人当たり5人を超えて高い。石川県も45人まで増えて10万人当たり4人に迫っている。

Sponsored Link

感染経路不明7割不明の東京

 非常事態宣言の対象となるのは感染率でなく感染数が元になっているようだ。感染数の順位では東京、大阪、神奈川、千葉、愛知、兵庫、北海道、埼玉、福岡、京都となっている。このうち新規の感染者が激減した北海道や感染が減っている愛知が対象から除かれている。

 東京、大阪など感染経路が追えない割合が高いことや、若い世代の感染率が高いことも緊急事態の対象区域となった理由だろう。

福井県はひとつのクラスター

感染率の高い福井県はなぜ対象県とならなかったのだろう。東京都との違いは、59人に増えた感染者の多くがひとつのクラスター内から発生して、感染者の連鎖を追えているからだろう。コロナウイルスの遺伝子の形がほぼひとつだけで、みなが繋がっているとみているという。東京の感染経路不明が7割とは対照的だ。濃厚接触者をかなりの割合でつかみ、しっかりと観察していて「コントロールされている感染の広がり」と福井県も受け止めているようだ。

 ただ感染者の中には感染経路不明の人もいる。従業員が数千人の大きな会社からもでている。福祉施設で働いていた人からも出ている。緊急事態対象地域に選ばれず、県民の気が緩むのが心配だ。2次感染で新しいクラスターを生み出さないために、緊急事態対象地域に選んでもらって気をさらに引き締める方がよかったかもしれない。国が対象区域に選ばないなら福井県知事が国に換わって独自の非常事態宣言を出してもらいたい。、

Sponsored Link

nor.