午前11時のライブ配信、福井県の会見19日間連続 情報公開に積極姿勢

 全国で増え続けている新型コロナウイルス感染者。都道府県や政令市などで記者会見を通した発表が行われている。その中で最も情報をしっかりと公開し、現状を伝えようとしているのが福井県だと思う。福井県では4月12日まで19日連続で感染者が出ている。午前11時から前日夜に判明した分を発表する.発表はYouTubeでライブ配信されだれでもみることができる。配信とほぼ同時に発表資料も福井県のホームページにアップされる。福井県は感染率が東京に次いで高いものの、積極的な情報公開で収束の道筋も見えてきた。

福井県立病院でも感染、会見時間も長くなった

 福井県は3月25日に2例目の感染者が出て以来、毎日新たな患者の発表が行われている。最初のころは夜の緊急会見もあったが、現在は午前11時から行われる。連日感染者があるため発表は土日の休み関係なく毎日だ。最初のころは杉本達治知事がメインの発表者だったが、現在は健康福祉部長が発表し同席した副部長が詳細を説明するという形が定着した。

 会見は福井県自体がYouTubeにライブ配信しているほか、福井新聞社もYouTubeチャンネルに流している。報道機関向けの発表資料もほぼ同時に福井県のホームページにアップされだれでも閲覧することができる。

 記者会見の時間はほぼ一時間程度だ。院内感染などこれまでになかった重要な問題が起こったら1時間半になることもある。質問する側も県庁の記者クラブに所属する記者が多いのでほぼ同じメンバーで連日の会見で要領を得ていてあまり無駄な質問もなく、知りたいことをほぼ聞いてくれる。

 資料を見ながらYouTubeのライブ配信を視聴していけば福井県内の感染状況はほぼ把握できる。昼のニュースや翌日の新聞よりも早く情報を得ることができる。

 県民も関心は高く福井県のホームページにアクセスが一時的に殺到して重くなるため臨時の入り口ページがつくられ、コロナ関連とそのほかをさばけるようになった。

 新型コロナ感染情報を積極的に発信して感染の収束に役立てていこうという福井県の姿勢は高く評価されるべきだ。日本国内全部を調べたわけではないが、ここまで積極的なところはなさそうだ。

 福井県によると福井市の夜の飲食店を起点とする「ひとつのクラスター」で「感染者のリンクはつながっている」状態。福井県内のどこにでもコロナウイルスが蔓延しているわけではない。

 福井県の4月12日の新たな感染者は2人。東京に続いて感染率2位は変わらないものの積極的な情報公開の効果もあり感染者増加が収まってきたようにも見えるが、患者を受け入れている福井県立病院で看護師が感染するなど新たな不安要素もあり、油断できない状況は続く。

午前11時のライブ配信 noteでもっと詳しく

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